がんを克服・生還された
元患者さんの体験記です。
遺影を準備していた末期がんから6年経過、元気の秘訣は感謝と笑顔
千田伸子さん(いずみの会理事)
がんの経過
07年夏:登山中に動悸、息切れ、嘔吐で歩けなくなり、救急車依頼。その頃、立ちくらみ、足のしびれ、攣(つ)りなどがあった。
07年秋:胃の痛みがあり血液・便を検査したが、異常なし。腫瘍マーカーで数値なし。
07年12月:上行結腸がんⅢ期B(Ⅳ期に近い)と診断。第3群リンパ節転移と言われた。
手術(結腸25センチ、リンパ節1~3群を切除)。そのときの肝臓の影は「血腫」と診断。
08年2月:急に激しい腹痛、腸閉塞と診断。入院、点滴。全身の倦怠感。でも、その病院では「異常なし」と言われた。
08年4月:「おかしい」と思い、県がんセンターでCT検査と超音波検査を受けた結果、肝臓がん発見。「血腫」が手術と抗がん剤により免疫力が低下し、がん化したか?
08年6月:肝臓3分の2切除するも、3期Bの上行結腸がんが肝臓に転移していたので「末期がん」と宣告された。この入院中に院内の売店で「論より証拠のがん克服術」(いずみの会、中山武著)に出会った。
退院後いずみの会に入会して「心と食生活」を見直した。お蔭で元気を回復し、看護師の仕事に復帰しました。毎日充実しています。
いまやっていること
1.いずみの会式玄米菜食(やや大雑把に)精白穀類、野菜、海藻類、小魚類を中心とし、たまに鶏肉を摂る以外は肉・乳製品・白砂糖を避ける。塩は自然塩、味噌・醤油は無添加のもの。ニンジンジュースを毎日100CC飲んでいます。
2.中山武元会長も実行された、朝一番の自分の尿を飲む飲尿療法。効果を実感します。
3.とにかく感謝の言葉を言う。「ありがとう」「感謝します」「嬉しい」「楽しい」などの良い言葉、前向きな言葉を口にする。なぜか気持ちがすっきりして、元気が湧いてきます。「皆が健康になりますように」というお祈りも毎日しています。
4.いつも笑顔を絶やさないようにしようと毎朝鏡に向かい笑顔を作ってから出かけます。正直に言って、私はいずみの会の先輩方のように食事療法をきちんとはしていないのです。「きちんとやっていないのに、どうして元気になったんだろう?」と考えたとき、笑顔のお蔭で免疫力が上がっているんじゃあないかな、と思います。もしがんが再発したら、食事療法をきちんとやります。病院には行きません。
5.いずみの会の講演会に整膚の先生が見えたのがきっかけで4年前に整膚師の資格を取りました。全身の皮膚をつまんでひっぱる整膚は、血液・気・リンパ液の流れが良くなり、むくみや痛みも取れる、緩和医療にも取り入れられています。人にやってあげると自分も温かくなる。私もこれで冷え性が治りました。入院患者のご家族に教えてあげたら「私にもできることがある」と喜ばれました。
なぜがんになったのか
私ががんになったのは、やはり過労が一番の原因だった気がします。私は、やると決めたらつい夢中になって頑張ってしまうところがあるんです。
看護師の仕事で患者さんの役に立てることが嬉しくて、辛いとは思いませんでしたが、夜勤があり夜中に呼び出されたりと不規則な毎日で、睡眠4~5時間が普通でした。自分は楽しく仕事していたつもりでも身体は悲鳴を上げていたんでしょうね。
47歳頃には冷え症になりました。常に寒く、手足やお腹の辺りが冷たくて、半袖の人の隣でコートを着ているという状態でした。
がん以前に子宮全摘手術を受けたことも、女性として精神的・肉体的に大変なストレスでした
がんになっても大丈夫
私はいま産婦人科で働いていますが、子宮がん検診などでちょっと引っかかっただけでボロボロ泣きだしてしまう方もいらっしゃいます。がんは人間の弱いところを衝いてきますが、こちらが毅然としていれば大丈夫です。
手術や抗がん剤などの治療をすると、「そっちがやるならこっちもやるぞっ」と歯向かってきます。「おとなしくしていてね」「仲良くしましょう」という思いで共存していくのが良いのではないでしょうか。
また患者本人が「抗がん剤を使いたくない」と思っても家族がそうさせてくれないということがあります。やむを得ず抗がん剤治療をする場合でも「お願いですから、がんの所にだけ働いてください」と念じていると、やっぱり副作用の出方など違ってくると思います。
いずみの会の仲間とともに
もしあのとき、がんセンターの売店でいずみの会の本に出会わなかったら、どうなっていたでしょう。本当にいずみの会様々です。
初めて会に参加したとき、「がん仲間がこんなにいっぱいいるんだ!」と、とても心強く思いました。「じゃあ私も生きられるかもしれない!」と思ったんです。余命こそ言われませんでしたが、お医者さんから言いにくそうに「末期がんです」と言われましたから、遺影もお葬式の用意も全部していたんです。
でも今は、「がんになって良かった」と言えます。病院で手術した患者さんや「がん友」に、自分の体験を話すことができるんです。「がんになっても大丈夫ですよ」と伝えるのが、私の役目なのかなと思うようになりました。
周りの皆さんが元気になっていくのが嬉しいんです。
いまいずみの会の理事に名を連ねてはいますが、フルタイムで看護師をしていますので、日頃のお手伝いは中々できませんが、可能な限り活動に参加して会員の皆さまとともに明るく楽しい会にしていきたいと思います。